滋賀大学ユースホステル部
8旅行!!【肝試し編・後半】
厄介なことが起こった。
僕が2人目に名乗り出た時、それまでおとなしく鎮座していたものが、つられたように名乗り出たのだ。
それは川兄さん、長友さんという、いずれも女子人気の高い先輩二人であった。
おそらく、その場に居合わせた誰もが、僕の敗北を確信しただろう。
だが僕は心の中でつぶやいた、「勝った」と……。
それは、2人目の女の子がMちゃんだったからである。
二回生の僕とこの一回生のMは、「1、2回生懇親会」という飲み会で既に幾度となく話していた、という過去の実績があったのだ。
対して、川兄さんも長友さんも、僕ほどは彼女と話す機会はなかったはずだ。
これは大きなアドバンテージである!
1回生の心理は、よく知らないイケメンの三回生よりは、たとえ容姿は劣っていても、それなりに話したことのある二回生に流れるはずだ。
いや、そうでなくては僕は世の中を呪うだろう。
もったいぶらずに結果を言えば、僕のこの推論は証明された。
……と、まぁ冷静に書いてはみたものの、
手にひやっとした感触が触れた時には、思わず
「いよっしゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
と叫んだものである。
まぁそんなわけでMちゃんと肝試しに行くことになったわけだが、ここでは別に「To Loveる」的展開が起きたわけではないことを、初めに断っておこう。
ハプニングがあったといえば、誘導係のミスで危うく山で遭難の危機にあうところだった、ということくらいであろうか。
ちなみに過去のユースの歴史を鑑みた時、この肝試しからカップルが誕生した件数は、まったくのゼロである。
→次へ(これがが最後です、頑張って!)